・ イニシャル:TS
・ 性別: 男性
・ 出願時年齢:26~30才
・ 海外経験:出張程度
・ 費用:社費
1. はじめに(バックグラウンド)
・大学では経済学を専攻。付属高校だったのでそれまで受験というものを経験したことなし
・新卒で日系の証券会社に入社(2013年4月入社)、東京にある支店で個人投資家向け営業に2年ほど従事し、その後投資銀行部門のカバレッジチームに配属
・担当していたセクターは主に建設・運輸・物流・ITサービスなど
・エクイティファイナンス(ユーロ円CB、グローバルIPO)やデットファイナンス、M&A(異業種の資本業務提携、TOB)などを経験
・顧客の定期的な海外IRに随行し、米国・カナダ・英国・シンガポール・中東の機関投資家を訪問
・入社8年目で社費生として選出
2. Why MBA
・主に3点あります。
・カバレッジとして今後も社会にインパクトを残せるようなディールアイディアを考えていくにあたり、もっと経営者の目線に立った考え方の軸を学ぶ必要性を感じたこと。また、経営者との対話の中で彼らの潜在的に抱えているニーズを汲み取れるような素養を身に着ける必要があると感じたこと
・加えて、ディールヘッドとして案件をまとめていくためのソフトスキルをもっと磨く必要があると感じたこと
・最後に投資銀行では、特にカバレッジとしては人脈や人脈から得られる情報が非常に貴重であると考えており、今後海外案件を積み上げていくにあたり、多方面に人脈を広げ、多面的に物事を考えるためのベースとなる情報が得られるような関係性を仕事以外の場面で構築することができれば、仕事のみならずプレイベートも含めて、QOLが各段に向上すると考えたこと
・エッセイには書いていませんが、人生経験として海外留学をしてみたかったことや、経歴に箔をついたら良いなと思ったことも理由のひとつです
3. Why Tepper
・ファイナンス×テックといえばTepperだと思います。
・米国における理系でトップクラスの大学であるCarnegie Mellon Universityは、ファイナンスとの親和性はもちろんのこと、テック分野で最先端の研究を行っているということもあり、その系譜を継ぐTepperではアントレプレナーシップにも力を入れています
・カバレッジとして会社に戻ることを考えれば、ファイナンス分野を改めて学びつつ、テック分野やアントレプレナーシップにおける知識を深めることは非常に有意義であると考えました
・何より、今まで出会ったことのない人たちが集結しているに違いないと考え、そういう方々との人脈構築が自分の人生の大きな転換点になると期待していました。同級生にはエンジニアのバックグラウンドをもった人が多いです
・加えて、家族帯同という前提だったので、治安や衣食住に不便のない地域がひとつの条件でした。Pittsburghはカレッジタウンという側面もあり、治安が良好ということを聞いていたので、他の合格校との比較においてひとつ抜きんでていたと思います。実際こちらに住み始めてからの感想としては、本当に住民がフレンドリーです。例えば妻と娘と一緒に買い物に出かけると、ほぼ必ず現地の人に話しかけられます。正確には娘を見て、「かわいいね」とか「素敵ね」と声をかけてくれるわけですが、肌の色や国籍を問わず皆さん優しく接して頂けます。加えて、医療で世界的に有名なUPMC(University of Pittsburgh Medical Center)には多数の日本人医師や研究者が在籍しており、日本人のコミュニティがそれなりにありますので、奥様やお子様も友達がすぐにできるという利点もあります。また、車がなくても生活に必要なものを徒歩圏内で揃えられます
4. 受験プロセスの概要
20年3月 - :社費生として選出。この時点でTOEFLを一度も受験したことがなかったので本格的に焦る
20年4月 - :TOEFLの勉強を開始。会社で指定されたTOEFLの予備校にオンラインで通い始める。Andyのセミナーに参加し、TOEFL TPOを手に入れ、以後これをメインに勉強を継続
20年5月 - :初回TOEFLは92点(R26, L23, S21, W22)。92点がとれたのでGMATの本や中学数学の本も買って、少しづつ勉強を始める。TOEFL2回目に97点(R28, L27 S17, W25)をとり、少し安心するもSが落ちたことにへこむ
エッセイカウンセラーをRound Oneに決める。9月までTOEFLに専念しろを言われる
20年6月 - :TOEFL6回目で98点(R27, L23, S20, W28)をとり、Lが上がらないことに苦しみだす
20年7月 - :TOEFL8回目で101点(R27, L24, S24, W26)をとり、なぜかSが上がる
20年8月 - :TOEFL12回目で107点(R28, L29, S22, W28)をとり、TOEFLを終了。Lが劇的に改善したと同時にWも自己ベストを出すことができ、普段信じない神に感謝を申し上げる
初回GMATは撃沈したものの、まだいけるでしょとポジティブに考える
20年9月 - :GMATに完全移行を開始
エッセイカウンセラーとレジュメ作成開始
20年10月 - :GMATにフルリソースを割くものの、一向に点数が上がらず
エッセイを執筆開始
20年11月 - :GMATの点数が上がらないためGREの勉強を開始
20年12月 - :GREで316点(Q166, V150、GMAT換算640点)を取得するものの、競争力が全くないためExecutive Assessmentを受験し157点(IR10, Q14, V13)を取得
エッセイ執筆が佳境に入る
21年1月 - :2nd Roundで計15校に出願
GREで319点(Q167, V152、GMAT換算660点)を取得
面接を開始
21年2月 - :多数出願したため面接の波が押し寄せる
21年3月 - :Tepperから合格を頂く
21年4月 - :Tepperに進学を決定
5. TOEFL/IELTS
107点(R28, L29, S22, W28)
・約5か月かけて90点台からこの点数に上げました
・Rについては皆さん同様TOEFL単語3800を使いました。設問には種類がありますが、内容を問う問題であれば、トピックセンテンスのあとにそれを補強する例やデータがくるというストラクチャーが文章の基本ですので、トピックセンテンスを意識して読んでいると内容がつかみやすくなりますし、最後の要約問題ではトピックセンテンスを意識したメモをとっておけば、なんとなく重要な要素が見えてきますし、詳細な例やデータが含まれた文章は不正解である確率が高いです。「TOEFL iBT®テスト リーディング頻出問題対策ゼミ」に以上のポイントが書かれているのでおすすめです
・Lについては苦戦しました。参考書としては、「まるわかり TOEFL iBT®テスト リスニング」を買ってみたりしました。シャドーイングは時間効率を考えればやるべきだと思います。ディクテーションもやりましたが、少し時間がかかりすぎるという難点がありました。60-Second Science、Moment of Scienceはアカデミックな内容を扱っていますので、TOEFLとの親和性が高いです。RarejobのDaily News Articleも教材としては有用だと思います。個人的におすすめなのは、YoutubeでドクターDイングリッシュという人の動画が良いです。設立者がミュージシャンということもあり、喉を響かせた発音法を売りにしているようですが、それよりかは音節を意識した発音が勉強になりました。Walking Deadなどを教材にして、ネイティブの発音を解読していくわけですが、動画の最後にはだいぶ音が聞き取れるようになったような気がします。音節を理解すると、実際には発音していない音がわかるようになり、シャドーイングの精度も上がる気がします
・Sについてもかなり苦労しました。ひたすらNishと練習をしていました。回数を多くやりたいのであれば、RarejobにTOEFL/IELTSの問題に慣れた先生がいます
・Wについては、練習すれば点数がとれるようになります。一番大事なのはタイピング速度、テンプレート、ボキャブラリーです。限られた時間で400文字程度のエッセイをミスなく書くことが要求されますので、タイピングの速度は重要だと思います。具体的には練習の際のリスニング中のメモやディクテーションの際にGoogleドキュメントに書いたり、毎日エッセイをひとつ書くようにしていました。テンプレートについては、導入と結論の書き方は常に統一していました。本文については、設問によりますが2つのトピックセンテンスとそれを補強する例やデータを書きました。3つの選択肢から1つ選ぶような設問については、それを選ぶ2つの理由と、他の2つを選ばない理由を3パラグラフに分けて書きました。最後にボキャブラリーについてですが、synonymを多用するだけで点数は上がると思います。同じような意味をもつ単語を複数のセンテンスに連続で使うとどうしても稚拙な文章に見えるようです。importantという単語を使ったら、次はpivotalやsignificantを使うことで稚拙さを回避することができます。Thesaurusがsynonymの検索に便利です
6. GMAT/GRE/EA
GRE 316点(Q166, V150) *GMAT換算640→319点(Q167, V152)
EA 157点(IR10, Q14, V13)
・一番苦労しました。反省点としては、問題を多くこなせば良いというものではなく、解法を身に着けて時間をかけずに回答できるように、何故間違えたのかについて研究を重ねた方が良いと思います。
7. レジュメ/エッセイ
・カウンセラー:Round One
・レジュメについては、様々な業種があるので一概には言えませんが、少なくとも数字を意識して書いた方がインパクトがあると思います。Tepperに来てから他の生徒のレジュメを拝見する機会がありましたが、やはり具体的な数字を書いてアピールしている傾向があると感じました
・エッセイについては、重要だと感じる一方で、面接でその内容について問われることはあまりありませんでした。(スペインのスクールは聞かれた気がします)簡潔に、設問に答えることを意識してかけば問題ないと思います
8. 推薦
・直属の上司と同じセクターの担当者である先輩に依頼しました
9. インタビュー
・面接官は3パターンです。アドミ、在校生、卒業生です
・アドミが聞いてくる質問はかなりオーソドックスなので、対策していれば問題ないです
・在校生の場合は、アドミが用意した質問リストから選んで質問しているはずです。たまにトリッキーな質問もありますが、基本的にフレンドリーに終わることが多いと思います
・卒業生の場合も、アドミが用意した質問リストから選んで質問していると思います。どちらかといえば、卒業生から見たフィット感を探っているように見えますし、受験生からすれば卒業生と話す良い機会ですので、スクールの雰囲気や卒業後のキャリアパスを確かめる良い機会だと思います
10. 最後に
MBAを志す方々は非常に優秀な方ばかりだと思います。そういう方々は、どのスクールに行っても、MBA後に活躍できるような向上心と忍耐力があると思います。MBAはあくまで通過点ですので、どのスクールに行かれても皆さんの素晴らしさは不変ですし、なによりもMBA後のどんな未来を描けるか、または描いてこれたかの方が重要だと思います。そういう意味では自分の選択に納得感をもって、自信をもってMBAライフを迎えられるような人が本当の成功者だと思います
皆さんの合格を心からお祈り申し上げます