特長1:アナリティクス
なぜ近年アナリティクスが重要になっているのか?
一昔前のビジネスの世界では、不確定な状況に対して、勘と経験に基づいた意思決定を、強烈なリーダーシップで補いながら会社の舵切りをしていました。しかしながら近年、ビックデータという言葉に代表されるように、大量データをリアルタイムで扱えるようになり、経営判断の一要素として「データ」がますます重要視されるようになってきました。経営判断に必要な「勘」を研ぎ澄ますために、データ分析が必要とも言えるでしょう。世の中にデータが溢れるほど、データを見抜く力がなければ、変化の激しい状況において、意思決定を見誤る可能性も否めません。
「リーダーは分析されたデータを理解できればよい」そういう考えの人も中にはいると思います。しかしながら、変化の激しい時代において、自らがデータを分析・参照し、すぐに意思決定をしながら舵切りをすることが求められてきています。TepperはComputer Scienceの聖地であるカーネギーメロン大学にてManagement Scienceを専攻する学部として設立されました。Harvard Business SchoolやWhartonとは全く異なる生い立ちを持ち、HBSが得意とするケースメソドロジー、Whartonが特異とするリーダシップ教育を取り入れつつも、レクチャーを重視し、"Business StudyにScienceを持ち込むこと"をモットーに、多くのクラスで理論的・定量的アプローチに基づく議論が求められます 。
データサイエンティストと経営者の違い
もう一つ大切なことがあります。以下に、ある教授が授業で話した言葉を引用します。
「与えられたデータを正しく分析することは大切だが、もう一つ大切なことがある。それは、生産現場・在庫管理の現場に行き、そこで働いている人々と話し、何の要素(変数)がビジネスをドライブしているのかを見抜くことだ。そうしなければ、単なるデータサイエンティストで終わってしまう。」
最も大切なことは、経営者の視点でどう定量分析を活用するかを学ぶことです。分析手法を学べば学ぶほど、その手法を使って何かを解決したくなります。しかし、そうではなく、現実に存在する困難な課題を認識し、それを解決するために定量分析というツールをどこでどう活用するか、それを見極める力こそが大切だと気づきました。
そのような力は、様々な授業で実際に定量分析手法を導入して成果をあげているケースを分析し、教授と生徒でともに考え、活発に議論することで次第に身に付いていると思います。
単にマニアックなデータ分析屋になるのではなく、経営者の視点から定量分析を有意義に活用できるようになること、それがTepperで学ぶ定量分析なのです。
Tepperで学ぶアナリティクス
Tepperでは必修・選択科目において、様々な分野で定量分析を取り入れたクラスがあります。Tepperではマニアックなデータの分析屋に陥ることのないよう、常に経営者の視点で定量分析を目利きする術を学びます。
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ストラテジー・マネジメント
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定量分析した結果をマネジメントや経営課題にどのように適用するか?統計分析(時系列分析)を自社・他社ビジネスの将来予測に役立てるか?を学びます。
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ファイナンス
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デリバティブ等の高度な投資分析や、FinTechに代表されるアルゴリズムトレーディングなど、最先端の定量ファイナンスを学べます。
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マーケティング
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マーケティング3.0に代表される、1to1マーケティングに必要な定量分析手法を学びます。
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アナリティクス
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オペレーションズ・リサーチという分野で、様々な制約条件の中で利益を最大化したり、コストを最小化したりするための最適解を見つける手法で、様々な分野で用いられています。例えば、Supply Chain Managementにおける流通センターのロケーションの決定、テレビ局のCM提供企業からの収益最大化、さらにはメジャーリーグ・ベースボール試合日程・カードの決定など、多種多様な分野で活用されている手法です。
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手法だけではなく、データ分析技術も学びます。例えば、ExcelアドインのRiskSolver、Eview、SAS、SPSS、Rを始めとする多くの定量分析ツールだけではなく、SQLやHadoopなどのデータマネジメント技術も学ぶことができます。
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Tepperの強みは、定量分析のみに依存せず定性的アプローチとの融合を重視する点です。
例えば、クラスやチームのミーティングで議論を定量分析でサポートすると同時に、定量化できないファクターを抽出して最終的にManagerとして適切な提案をまとめ上げることが要求されます。定量分析に強いと言われるTepperには"Non-engineering students succeeds at CMU"という評判もあり、定量分析のバックグランドを持たない学生にも活躍の場が多くあります。