合格体験記
・イニシャル:H.S
・性別 :男性
・出願時年齢:31~35歳
・海外経験 :無し
・費用 :社費
1. はじめに(バックグラウンド)
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私立文系出身。専攻は経済学(但し、大学で勉強した記憶はほどんど無し)
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新卒で鉄鋼メーカーに入社(2012年4月入社)
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入社1~5年目までは工場で工程管理を担当。6年目で本社に異動し、以来、国内大手自動車メーカー向けの薄板営業を担当。価格交渉、新素材提案、VA(原価低減)提案などがメイン業務。コロナ禍において、国内大手自動車メーカーから大幅値上げを勝ち取った経験が、これまでのキャリアハイライト。
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海外留学、駐在経験は無し。業務において英語を使う機会もゼロ。THE・純ドメキャリア。
2. Why MBA
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当社の事業戦略が海外に軸足を移し始めている中、海外経験が無い事にコンプレックスを抱いており、キャリアのできる限り早い段階で海外経験を積んでおきたいと考えていたため
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ほぼ営業経験しかないが故、ビジネスマンとしてのスキルに非常に偏りを感じており、ゼネラルなスキルを学ぶにはMBAが手っ取り早いと考えたため
3. Why Tepper
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小学生の子供が2人おり、彼らの将来のためにも英語圏・2年制のMBAプログラムが良いと考え、必然的にアメリカのMBAスクールがターゲットに
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営業における“交渉”という極めて属人的な領域においても、なるべく定量的にアプローチをすることで、論理的に、かつ再現性の高い交渉を実現することをポリシーとしており、Tepperのビジネスへのアプローチの仕方と親和性を感じたため
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ピッツバーグというfamily-friendlyな土地柄
4. 受験プロセスの概要
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22年1月 上司から会社のMBA留学プログラムに推薦したいとオファーをもらう
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22年2月 社内選考に合格(この時点では英語力は皆無も、そのハードルの高さを知らずに、会社の先輩方の実績も踏まえ、目標をTOEFL:105点、GMAT:700点に設定し、米国TOP10大学を目指す)
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22年3月 会社の指定でAGOSのTOEFLオンラインコースの受講開始
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22年4月末 TOEFL初受験。62点。周囲から、requirementの比較的緩い、ヨーロッパ、およびmid-career向けMBAプログラムへの志望変更を勧められる。
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22年5月中 TOEFL2回目。GW中、毎日10時間近く勉強した成果が出て85点。調子に乗り、お盆辺りをメドに105点取れればいいなぁ~と夢想する。
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22年6月~8月 その後、1回/2週間のペースで受験するも、スコアは90点前後を彷徨い、「お盆明けのTOEFLで95点超えられなければIELTS変更」と心に決めて、6回目の受験。結果は94点。IELTSへの変更を決める。と同時に、大きな焦りも生じはじめ、上司と相談して、業務量を3割程度減らしてもう。
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22年9月末 IELTS(3回目)でOver all 7.0を達成←出願スコア。時間もないので、一旦、IELTSのスコアメイクは終了。GMATの勉強を本格スタート(この時、GMATは7月からオンライン授業を受講するも、それ以外はほぼノー勉)
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22年10月中 GMAT1回目。570点(V:21 M:48)。PC前で絶望。GREへの変更が頭を過るが、GMATとの相性の悪さはあまり感じなかったので、GMATと心中することを決意。
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22年11月中 GMAT2回目。660点(V:29 M:50)。これでなんとか行き先は確保できそう、と安堵するも、もう一伸び欲しいところ。
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22年12月上 GMAT3回目。680点(V:32 M:50)←出願スコア。目標の700点に届かずも、Essay・Interview対策に移行。急ピッチで仕上げる
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23年1月上 年末年始を返上し、US9校にRound2で出願(Top10:2校、Top10-20:4校、Top20-30:3校)
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23年1月中 スコアアップデートを狙ってGMAT4回目。同じく680点(V:35 M:48)。Mを放置していたことが裏目に出る。全然解法が思い浮かばない・・・結果的にスコアのアップデートはせず。
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23年1月下~2月中 US 8校とinterview(1校書類落ち)
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23年3月 Tepper含めUS 5校から合格(2校WL→のち、不合格)
5. TOEFL/IELTS
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出願スコア:IELTS 7.0(R:8.0,L:7.5,S:6.5,W:6.5)
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対策はAGOSのオンライン授業のみ。上述の通り、私はTOEFL・IELTSもそれなりに対策をしましたが、TOEFL100/IELTS7.0で比較するのであれば、圧倒的にIELTS7.0の方がハードルは低いと感じました。私が今、受験開始当時に戻れるのであれば、最初からIELTSでスタートするでしょう。IELTSはWritingが難しい、とよく私も聞きましたが、論理構成さえしっかりしていれば、スペルミスにはTOEFLより寛容で、6.5であればすぐに取れると思いました。実際、私はTOEFLでは毎回Writingが足を引っ張り(たぶんスペルミスの多さ)、20点前後しか取れなかったのですが、IELTSに変えたらすぐに6.5が取れました(7.0も一度出ました)。フォーマットは違えど、TOEFL→IELTSへの変更はそれほど負荷は高くないので、TOEFLのスコアメイクに苦しんでいる方は、是非1度、IELTSの問題をチエックしてみることをお勧めします。
6. GMAT
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出願スコア:680点(V:32, M:50)
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対策はAGOSのオンライン授業のみ。日本人の典型的な戦略である、Mを固めてVの上振れを待つ、というアプローチで臨みました。ただ、Mが固まったと思って放置すると、すぐに崩れるので、1日30分でも数学に触れるルーティンを取り入れとくべきだったと後悔しています。
7. レジュメ/エッセイ
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AGOSに依頼。私は出願時の年齢が高かったことから、キャリアの経験値の多さ(リーダーシップ経験、日本の重厚長大ビジネスへの精通度、会社への課題感に対する視座の高さ)をアピールすることを一番に心掛けました。ショートビデオで気を付けたことは、クラスの中では“おじさん”の部類になることが分かっていたので、年の離れた若い人たちとも付き合えそうな社交性が伝わるように、明るく・にこやかに・はきはきと喋ることを意識しました。
8. 推薦状
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直属の上司と、前の部署の上司にお願いしました。レジュメ/エッセイで書ききれなかったことを捕捉する、というよりは、レジュメ/エッセイの内容を補強するような推薦状を依頼しました。レジュメ/エッセイと推薦状のプロセスにおいては、何より「文字から、如何に解像度高く私のことを想像してもらえるか」が鍵と考え、PRポイントを2~3つに絞り“分かりやすさ”を重視しました(色々なことをアピールすればするほど、解像度は低下する)。
9. インタビュー
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AGOSのネイティブ講師と対策しました。インタビュアーに「想像(期待)していた通りの人物だ」と思ってもらえることを意識しました。私は多角的にアピールするよりも、狭い範囲でのアピールで良いので、一貫性にこだわり続けました。レジュメ作成~インタビュー対策までの過程で、カウンセラーの意見に納得いかないことがしばしばあり、意見がぶつかることもありましたが、自分の受験なので、カウンセラーの言うことは参考程度に留め、最後は自分が思うとおりのやり方で通しました。
10. 最後に
MBA受験の道のりは人それぞれで、100人いたら100通りのアプローチがあると思います。したがって、皆さん全員に当てはまるようなアドバイスは無いと思うのですが、一つあるとすれば「あまり深追いし過ぎない方がいい」ということだと思います。タイトな準備期間の中で、TOEFL/IETLS、GMAT/GRE、レジュメ/エッセイ、インタビュー対策、そのすべてを完璧に仕上げられる人はほぼいないと思います。私がほぼ英語力0の状態から、1年足らずの準備期間でTepperに合格できたのも、目標に固執し続けず、自分の現在のレベルと残り時間を常に把握し、冷静に自分の現在地を分析し続け、然るべきタイミングで次のステップに移る決心をしたことが大きいと思っています(といってもかなり綱渡りのスケジュールでしたが・・・)。皆様の健闘をお祈りしています。